『VERY』編集長・今尾朝子さん
2020年、未曾有の事態を経て、雑誌『VERY』編集部にも変化はありましたか。
今尾:このコロナ禍の影響で、雑誌『VERY』は、実質的に2020年6月号が作れなかったんです。6・7月合併号という形になって。でも逆に、紙媒体の『VERY』を一号お休みし、部員全員でウェブに集中できたことで見えてきた部分も大きかった、と思っています。
例えば、「おうちVERY応援月間」として、ママたちが少しでもラクに、笑顔になれるようにと、記事をウェブやInstagramで配信し続けたのですが、数字的にも手ごたえを感じました。この時期、主婦の頭を悩ませた「3食作り」に何かできることはないかと、InstagramのcookingVERYアカウントをリスタートさせ、こちらはあっという間に3万フォロワーが増えました。もう一つ、日々忙しいママたちにこそインプットの時間が必要、学ぶことで自分や家族の選択肢が増えるって幸せなこと、という思いから、デジタル時代だからこその学びの場「VERY Academy」を立ち上げました。
結果、普段のリアルイベントだと多くて会場に集えるのは300人ほどですが、初回のオンラインイベントは当日10万人以上の人が視聴してくれ、総再生回数は14万回を超えました。クリックなどのエンゲージメントも1万ほどありとても積極的にオンラインイベントに参加してくれた方が多く、初めての試みとしてはとても良い結果になったなと感じています。
改めて、『VERY』は紙を通さなくても、これだけのママたちが関心をもってくださるパワーを持つメディアなんだな、と実感しました。
でも、もちろん紙を持っているメディアだからこその強みもあります。デジタルってスピード感が速いから、シナリオも構成もパパパッと考えなくちゃいけないじゃないですか。だけど誌面はスペースの制約や制作工程に時間がかかるので、早い段階からタイムリミットまで思考を繰り返して編集する時間があります。なので、もし紙のオーダーが先(または同時)であれば、すでにターゲットに刺さる台本をしっかり作り込んでいるということとイコールなので、いざデジタルでコンテンツを発信する際にも、「ここを切り取って、こういう台本を作ればいいよね」という作業がスムーズにできるし、紙を踏まえた編集力を発揮できると思います。スチール撮影をしておくと、二次展開にも役立ち、全体の取り組みのクオリティをあげていくことにつながるとも思います。
『VERY』は、『VERY』の台本が作れる。そこに価値があると思いますし、それをMATCHの皆さんと一緒に得意先の課題解決に役立てたいと思っています。
これから『VERY』がMATCHを通じてトライしたいことがあれば、お聞かせください。
今尾:今、すごく力を入れたいのが「食」と「住まい」なんです。このコロナ禍で、一番ママたちにとっての負担であったと同時に視点が変わったのが、「食」と「住まい」だと思うんです。
例えば、VERYとつながりがある料理家さんを呼んで日曜日の夕食を考えるライブ料理教室みたいなものを「VERY Academy」で夕方からスタートできないかな、と。参加者には事前に食材が届いて、料理家さんとVERYのモデルさんのライブ配信を視聴しながら、パエリアができたところで、皆さんがそれぞれの食卓へ向かう。
そうすれば、一度に何千人の食卓に、同じおいしいものが成功体験としてできあがり、素敵な料理が一気にSNSに拡散される。料理が苦手な人にとっては疲れもたまる週末の料理が、楽しみながらインプットする時間にかわって、18時にはもう食卓が出来上がっていて家族が喜んでくれたら最高ですよね。興味がある営業ご担当様、MATCHまで連絡をお待ちしています!